DIORMAG

31st 5月
ショー

ベラのバックステージ

今日の午後、モデルのベラ・ハディッドがブレナム宮殿で行われたディオールの2017クルーズショーで初めてランウェイを歩きました。バックステージでは、ディオールのメイクアップアーティストが仕上げを行うなか、ディオールのメイクアップ クリエイティブ&イメージ・ディレクター、ピーター・フィリップスとのコラボレーションについて話してくれました。

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Morgan O'Donovan

まだ19歳というベラ・ハディッドは、世界が注目する少女として、また同世代のアイコンとして、確固たる存在感を確立しています。インスタグラムのフォロワー数は450万以上を誇り、全世界のランウェイに立ってきた彼女は、世界の有名雑誌に頻繁にカバーガールとして選ばれています。彼女のスタイルセンスとメイクへの情熱から、ディオールと彼女と密接な関係が結ばれたのはごく自然な流れと言えるでしょう。去る5月9日、クリスチャン・ディオールが所有するプロヴァンスのラ コル ノワール城で開かれたオープニングディナーに参加し、その数日後にはディオールの衣装とメイクでamfARのディナーにも登場。そして今日、ディオールのメイクアップ クリエイティブ&イメージ・ディレクター、ピーター・フィリップスとのコラボレーションを通じて、ベラ・ハディッドとメゾンの新たな歴史の物語が始まります。

31st 5月
ショー

アウトライン

© Daniel Jackson for Dior
31st 5月
ショー

イギリス海峡を渡るクルーズの旅

本日午後、ディオールの2017年クルーズ コレクションショーがイギリスのブレナム宮殿で行われました。ショーのプレスリリースをご拝読下さい。

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Adrien Dirand

パリからクルーズ コレクションのショーが行われたブレナム宮殿までの旅、そしてそのショーを見るために世界各地から集まったファッション業界人たち。ここが、クリスチャン・ディオールのクリエイションスタジオを代表するルーシー・メイアとセルジュ・リュフィウーにとっての出発点です。着想源は、戦後の上流階級の服装だけでなく、より広く、その時代に充満していた熱狂と冒険精神。旅行をすることや新しい発見への欲求です。イギリスの田舎の様子が、狩猟やその絵画的情景を示唆するようなモチーフで表現されています。鮮やかなルージュが、猟犬狩猟の狩人たちの緋色の衣装を思わせます。素朴なツイードや、田舎風のポプリ、また具象的なジャカードの中や野花のブーケと絡めて表現された乗馬シーン。こうしたイメージと、透かしの施されたスエードやアジアのシルク、アフリカ風のプリントや織り模様、さらには刺繍などが混ざり合い、探究心や世界に対する好奇心、そして英国風の奇抜さを洋服に落とし込みます。

このイギリスからのインスピレーションに、パリらしいシルエットやディテールが呼応します。例えば、「バー」ジャケットの曲線は体にフィットしウエストを強調する形に裁断されています。逆に肩の上やポケットになっているフリルの中、あるいはオーバーサイズコートなどのたっぷりとした布の動きに共鳴したりします。ディオールらしいボリューム感ながらイギリス志向と現代的なエスプリを反映したコレクションです。「バー」のフォルムは分解され、ヘプラムがウエストを覆いデイドレスのドレープを生み出します。
全てのディテールがムッシュ・ディオールの作品から抽出され、メゾンの歴史をモダンに転用します。メゾンを象徴するコードの一つであるリボンはほどかれ、デコルテの間や後ろに、それを隠したり強調したりするスカーフのように添えられており、シンプルなデコレーションとしてクリエイションにダイナミックな動きを与えます。
 
この英国スタイルとフランススタイルの間の会話は、過去と現在の対話、そしてこの2つの国の文化交流に呼応するものです。17世紀、フランスではイギリス風のファッションが流行し、20世紀には逆にイギリスでクリスチャン・ディオールをはじめとしたフランスのクチュールが流行しました。そしてディオールも、イギリスのファッションから着想を得てきました。自身のスーツをサヴィル・ロウでオーダーしていた彼は、メンズウェアのコードを制作に利用したりもしました。例えば、イギリスのウールやスコットランドのツイード、そしてグレンチェックの模様などによって、彼のクリエイションの女性らしさを際立たせたのです。フェミニンとマスキュリンの、フランスとイギリスの出会い。メゾンが創設されてから70年近くたった今、マールバラ公爵家の封地でありウィンストン・チャーチルの生家でもある、英国の象徴ブレナム宮殿にて、文化的そして創作的着想源にオマージュを捧げます。この場所では過去に2度、1954年と1958年にもディオールのショーが行われたことがあります。

いつの日も、新しさの探求を象徴する世界に対する好奇心は私たちを冒険や発見へと導いてくれます。

31st 5月
ディオールの遺産

ディオールとブレナム宮殿

1954年と1958年にブレナム宮殿でメゾン ディオールが開催したショーの模様を振り返ります。

31st 5月
ディオールの遺産

1954年、1958年、2016年

数時間後にブレナム宮殿で開かれる2017クルーズコレクションのショーで、歴史の詰まったこの場所とメゾンとの間に新たな1ページが刻まれます。ディオールは1954年と1958年に、この場所で当時の最新コレクションを発表しました。豪華な装飾のなかで行われたこの2つのショーを振り返ります。

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Popperfoto/Getty Images

1954年11月3日。マールバラ公爵夫人は自邸であるブレナム宮殿にクリスチャン・ディオールを招待し、秋冬コレクションのショーが開催されました。イギリス赤十字の支援のために開催されたこのショーには、1600人が集まり、バラのエッセンスが香る広大なサロンにゲストたちがひしめきました。ファッション通で特にディオールを好んでいたマーガレット妃は、名誉ゲストとして最前列に座っていました。16時、小さなヴェルサイユのようなこの煌びやかな宮殿内に、イギリスの賛歌『女王陛下万歳』が鳴り響き、続いてフランス国歌『ラ・マルセイエーズ』が流れました。そして登場したのがHラインの最初のシルエットでした。これは、Hの文字が示す通り縦方向の平行なシルエットで、ドレスやスーツ、コート100着がこのラインで構成され、ラッキーやヴィクトワールといったモデルたちが静まり返った会場内で披露しました。万雷の拍手が贈られたのは、グリーンとブラックツイードの「ボビー」スーツです。一見クラシカルに見えて、ロングのバスクジャケット、高い位置のボタン、ほっそりした肩、華奢な胸、シンプルなシースドレス、ベルトのないしなやかなウエストなど、そのシーズンの新作要素をすべて集約していました。それはまさに「フラットルック」が生まれた瞬間でした。

クリスチャン・ディオールは、この新しい細身のシルエットで革命的な風潮を生み、1947年のニュールックと同じ熱狂と評判をかき立てました。最後に登場した「ブレナム」と名付けられたピンクサテンのイブニングドレスは、興奮の渦を巻き起こしました。ショーは大成功で、クリスチャン・ディオールはマーガレット妃から直接、今回のエレガンスの発表とチャリティーの成功を祝して、イギリスの赤十字メンバーの証書を手渡されました。

1958年11月12日。メゾンは再び、ブレナム宮殿でのショーの開催を招待され、クリスチャン・ディオールの後を継いでいたイヴ・サン・ローランが自身初のオートクチュールコレクションを発表しました。「カーブ」ラインのモデルがドビュッシーやシューベルト、ストラヴィンスキの音楽に合わせてランウェイに登場し、4年前同様、「ブレナム」イブニングドレスが最後を飾りました。

あれから60年近く経った今日、2017クルーズコレクションのショーが同じサロンで開催され、歴史が続きます。

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