12.08 ディオールについて

庭園と花々への情熱‐1

ギャラリー

田園の魅力

クリスチャン・ディオールが花への皮膚感覚を磨きながら独自の園芸の素養を形成したのはグランヴィルにある彼の両親の持つ海沿いの屋敷の庭の中でのことです。机上の知識だけではとても飽き足らずに、彼は幼い時から土いじりを始め、母親の壮大な庭園造成に加わり改造や整備ができないかと思い描いていました。後に彼はとりわけ海に張り出した場所につる棚やバラ園を建造するよう監修するようになります。このノルマンディー風のエデンの園で、芳香が、色彩が、花弁の繊細で緻密な構成が、背の高い松林の中を駆け抜ける風が彼のセンスを磨きます。彼はここで審美的、あるいは嗅覚的なトーンを蓄えます。それらは後に彼のクリエーションの構成に取り入れられ、エスプリ豊かなメロディーを奏でることになります。防護壁に囲まれて、彼の子ども時代の庭園は予測不能な気候さえも物ともしません。彼はマドレーヌ・ディオールの望みにだけ従い、未来の景観デザイナーのクリスチャンとして有能な助手役を務めるのです。

植物が豊かに繁茂した「リュンブの家」、セイヨウサンザシ、ヘリオトロープ、フジ、モクセイソウともちろんバラが植えられていました。それらが、元 気と陽気を回復させ、光と色彩に満ちて、すがすがしい香りが溢れる、汲めども尽きぬインスピレーションの源になっていくのです。ディオールの全ては、結局のところ、この幻想の閉じられた場所で成長したものです。『ファム フルール(女性は花)』のアイディアでさえもそうです。コロルやチューリップのラインも。裏地や折り返しの中に縫いこまれたり、ボタンホールに差し込まれたり、ディオリッシモ(Diorissimo)の香水瓶の中に閉じ込められたスズランも。ミスディオール (Miss Dior) のクリスタル製アンフォラボトルから立ち上るバラ、クチナシ、アキギリ、コナラの苔のブーケも。ポピー レッド、ダフォディル イエロー、ナスタチウム オレンジ、マイルド ハーブ グリーン、アザレア モーブ、ピオニー ピンク、フォーゲットミーノット ブルーの色使いもここで育まれたディオールの全ての一部です。

メディア