02.07 ニュース

全大陸の女性達

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昨日、パリのアンバリッドの前で、ラフ シモンズがディオール2013-2014年秋冬のオート クチュール コレクションを発表しました。ファッションショウの中に旅がある、正しくインスピレーションの世界一周でした。

彼女達には4つの『在り方』があります。女性としての4つの基準、4つの女らしさ、4つの文化、 4つのイメージの仕方とオート クチュールの着こなし方があるのです。ひとりはヨーロッパから、もうひとりはアメリカから、3人目はアフリカ、最後のひとりはアジアから来ました。地球規模の夢に見たビジョン、クチュールとお客様の世界を巡る融合の旅です。『私は違った大陸の、違った文化を持ったオート クチュールのお客様を、その独自のスタイルを見つめることから始めました。コレクションはただ単にパリやフランスのディオールの周辺に係わるものではありません。全世界と対峙するディオールの周辺にも係わるものです。そしてそれらモードの文化というものがどれほどまでにメゾンや私自身に影響を及ぼすでしょうか』とラフ シモンズは説明します。彼がここでお客様という場合、交流というのがラフ シモンズの創造的プロセスのベースとなります。この考えから、彼は4つのタイプの女性について想像を巡らせました。それは本質的に4つの異なった文化のお客様であり、同時に4つのタイプの現代女性です。つまり、その4人は旅をして、世界を知っており、そこから時の流れの作用を汲みだすことができる女性だということです。そのひとりずつにシモンズはディオールの典型的なワードローブと同時に各人の個性が反映されたワードローブを想像しました。これがラフ シモンズがオート クチュールの作品と向き合うときのやり方であり、このクリエイティブなプロセスでコレクションの展開を想像していくのです。さて、ピュアなシルエットと衣服の構造の確かさの巧みなバランスでこの女性がアジアの女性だとわかります。彼女のプリントされたウールや鮮やかなレッドのミンク 製のコートは胸の上で『着物』のように前を合わせて着られます。大きな布でできているように見えるイブニング ドレスは、襞を複雑にたたみ込む仕組みで身体にフィットさせています。はたまた伝統的な『絞り』のテクニックを使ったドレスまで。この日本のアートは布に結び目を作って、括り染めにし、織物の上に円錐状の立体的な模様を創る細工です。一方こちらのアメリカの女性は非常に無頓着な様子で、大胆にもブルーのカシミアのコートの袖の縁取りをおおらかに生地のままの仕上げですませています。使う色はご存知のとおり、シルエットの最初から最後まで、ブルー、レッド、ホワイト、一緒にするとアメリカの旗の色になります。ひとつのシルエットにはストライプ、もうひとつには麗わしの星たち、さらには両方合わせたものなど、すなわちアメリカ合衆国の旗『スター&ストライプ』になります。ヨーロッパ出身の女性は鋭いイメージです。1947年にクリスチャン ディオールが発表したタイユールにインスパイアされたBar シルエットで見分けられます。特徴としてはウエストをくびれさせてペプラムでヒップを強調したスタイルです。彼女は軽々と男性用の生地を、模様の上にモチーフを重ねるエンブロイダリーで、まるでトーン オン トーン配色のような感じで巧みに扱います。

これぞまことにパリジェンヌといったところでしょう。アフリカの女性はまるで女王様、自由の象徴です。彼女のイブニング ドレスには軽やかなドレープが、身体のラインが見えそうで見えないようにうまくアレンジして使われています。刺繍で飾られたシルクのコートは大きなレース地でできているようです。一方、マルチカラーのニットや刺繍で飾られたチュールは彼女のトリビュー タトゥーの肌に鮮やかに映えます。

彼女達の文化に違いはあってもなお、4人は共に同じビジョン、同じエスプリを分かち持っています。そのエスプリはDiorメゾンのラフ シモンズに吹き込まれたエスプリです。こうしてファッションショウを通して、クリスチャン ディオールのクチュリエとしての大切なコードを再確認することになります。フェミニンなシルエットと男性物の生地、ジャングルのプリント生地、それはムッシュ ディオールのミューズ、ミッツァ ブリカールによってDiorにインスパイアされたもので、まさに旅の記録として、コレクションのエスプリにまでも生きているのです。そしてラフ シモンズのクリエーターとしての仕事にもそれは垣間見られます。その繰り返し遍く用いられるカラーの数々、あるいは深々としたブラックのシルクの内側の鮮やかなきらめき、長さやボリュームを幾重にも重ねること、素材や輝きとのたわむれ、アシンメトリー、独特の構成、軽やかさと深みなど。このコレクションは文化の十字路です。このファッションショウは今日のオート クチュールのエッセンスともいえるものです。伝統と現代性の邂逅、卓越したノウハウで譲ることがないメゾンと、個性というものを非常に大切になさる今日のお客様と、メゾンやお客様をどのように未来へと導けばよいのか知っているクリエーターとの出会いなのです。『私がなによりも望んでいたのは、オートクチュールに本当のリアルなセンス というものを復活させることでした』とラフ シモンズは言葉を結びました。この言葉に間違いはありません。

 

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