06.07 ディオールについて

限りなく

ギャラリー

ウルトラモダンな演出とクチュール初期へのエスプリの回帰の間で、Bar ジャケットに深く敬意を表しつつ、国際的なモードからの借用も厭わない。ラフ シモンズのインスピレーションは交差しあい、響きあいます。インスピレーションが激しく増え続けているのです。

モンテーニュ通り30番地の装飾を再現した空間に招待客を迎え入れながら、ラフ シモンズはオートクチュールをその本質に結び直していました。クリスチャン ディオールの時代のオートクチュール、当時クチュリエは自分の家のサロンのただ中に顧客を招き入れていました。クチュールの最初のセンスへの回帰、個々の顧客のパーソナリティとクリエーターのそれとを関わらせるという創造的なプロセスの見直しです。ですからこれが「違った大陸の違った服飾文化のオートクチュールのお客様」に着想を得て、言葉をかけることにより、ラフ シモンズが今シーズンにデザインする、「世界中と対決したDior」というものなのです。彼はクリスチャン ディオールが彼の時代にパリの自身のメゾンと世界のその他との間で紡いだ糸を引き継いだのです。根っからの世界旅行者、「全ての女性をドレスアップしたい」と望み、ディオールは旅行が大好きでした。ヨーロッパの中、アメリカ合衆国に、ロシアに、ブラジルにと旅路を巡りました。そしてそれらの旅行から尽きることなくインスピレーションを持ち帰っていました。メゾンの歴史を育んだのと同じインスピレーションは続いており、今日も尚、ラフ シモンズのクリエーションを活気付けています。 ステージ上で、影響は絡み合い、新たな価値を生み出します。シルクのイブニングドレスのプリーツとドレープが、この技術におけるクリスチャン ディオールの趣味と同じであると、アジアンテイストのドレスの美しさを見るにつけ思い起させられます。紳士服用の生地、千鳥格子やプリンス オブ ウェールズ柄(ムッシュ ディオールがとても愛していました)の借用がXXLバージョンに進化して、柄の上に刺繍をしたウールのドレスになっています。

横のラインと縦のラインと斜めのラインが交差した「カナージュ」は1953年からメゾンのアイコンですが、シルクのエンブロイダリーに再演出されてシルクのドレスを飾っています。カナージュはきっちりしていながらデリケートで、麦わらで編んだ織物のように繊細な美しさです。Jungle プリント、メゾンのビームモチーフであり、ミューズであるミッツァ ブリカールに影響をもたらしたこのモチーフはシルクのイブニングドレスに、ひじの上まで届くロンググローブに、うなじのくぼみに結ばれるスカーフの上にと全面的に用いられています。伝説となったBar ジャケットは毎シーズン、ラフ シモンズにインスパイアし続けています。2013-2014年秋冬においては、ビスチェのバージョンで発表され、スリットのスカートの上に着用されています。ビスチェには花のような2枚重ねのペプラムが付いており、ウールのタイユールをモダンな雰囲気にしています。レディス コレクションのアートディレクターの両の手の間で、Diorの時代を超えたアイコンは永遠に新しくなり続けるのです。

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