07.07 ディオールについて

新たな次元

イメージ

ラフ シモンズによるディオール2013-2014年オートクチュール秋冬コレクションの舞台装置はファッションショウを新しい次元に誘うものです。アーティスティックなパフォーマンスと自由な表現から見えてくる地平線です。

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開場に入ると、招待客たちはすでにファッションショウがアンバリッドで行われているということを忘れていました。観ている者にとっては、セーヌ川を反対側に渡って、モンテーニュ通りの30番地にいるような気がしていました。Diorメゾンのサロンの中にいるようなのです。招待客たちがその中央に陣取っているキューブ状の空間の4枚の壁の上にはサロンの歴史的な写真が映し出されていました。ムッシュ ディオールの時代のファッションショウの様子でした。全てがそこにあります。トリアノン グリーのカーペット、メダイヨンの肘掛け椅子、木の枠組みとモールディング装飾・・・それから、灰色がかったサロンのイメージは徐々に写真撮影された花のタペストリーに変わって行きます。オレンジ、フューシア、ペールピンク、ブルー&ホワイトのストライプ・・・壁のモニター各々がひとつの色と違ったさまざまな花で飾られています。まるでラフ シモンズ が初めてディオールのオートクチュールを発表したときのよう、たった一年前なのですけれど。マヌカンが歩き始めるにつれて、壁がXXLサイズの写真を投影しながら躍動します。写真はキャットウォークでシルエットを披露する前にバックステージで仕込まれたもの。同じマヌカンを写したものです。写真にはパトリック デマルシュリエ、テリー リチャードソン、パオロ ロベルシ、ウィリー ヴァンデルペールのサインが入っています。伝説の4人の写真家です。この4人のアーティストにラフ シモンズが、独自の視点からのディオールのクチュールについてのヴィジョン、またディオール ウーマンについてのアイディアを発表するように依頼したのです。こうして、パトリック デマルシュリエはヨーロッパを想起させるようなシルエットにエレガントで繊細な独自の解釈を加え、パオロ ロベルシはアジアンテイストの衣装を詩情豊かに捉え、ウィリー ヴァンデルペールはアメリカを幻想的に演出し、 テリー リチャードソンはアフリカをイメージしたルックのダイナミズムに少しおどけてみました。モードの絵画的表現、熟練者のヴィジョンです。

キャットウォークの上では、マヌカンたちは各々の独自のイメージの前を歩きました。コレクションのプレゼンテーションとそれについての表現との対話、また普遍的なものと個人的なものとの対話からパワーを受けながら。そこにこそラフ シモンズがディオールのオートクチュールで表現していきたいと望んでいる新しい次元があるからです。

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